ゴーンッ!

お寺の鐘の音とともに、「ゆく年くる年」の題字が画面に浮かび上がった。
「御茂宗(おもしゅう)法止尿(ほうしにょう)寺の除夜に鐘の音が響きます。今年は多くの水害があった年でした。来年は平穏な…」
落ちつたい語り口で、男性キャスターの声が響いた。
「こんばんは。今年の大みそかは、暖かい一日でしたね。CC2019年は、皆様にとってはどんな年だったでしょうか?真行寺キャスターはどんな1年でしたか?」
「皆さん、こんばんは。真行寺クロエです。今年は、テロや水害など多くの悲しい出来事がありましたね…」
クロエはイエローのダウンジャケットにベージュのチノパンツと出で立ちだったが、何か落ち着かない様子だった。そして、よく目を凝らすと、股間のデルタゾーンに小さなシミのようなものがあるようにも見えた。
「そうですね。あのテロ事件の平和式典には、真行寺キャスターもいらっしゃいましたね」
クロエは一瞬、顔を赤らめた。
世界中の人が、クロエの失禁シーンを目の当たりにしたかと思い出すと恥ずかしくて堪らなかった。少し、うつむき加減になったが、それを振り払うかのように続けた。
「来年は、テロや災害のない、そんな年になることをお祈りしたいですね。では、全国の大晦日の様子を見てみましょう。」
クロエがそういうと全国の中継に切り替わった。

中継に切り替わったとたん、クロエの表情が変わった。そして…
「石田ディレクター〜、あの今、お手洗い行ってきていいですか?」
クロエはさっきまでの引き締まった表情を崩し、左手で股間を鷲掴みにした。
もちろん尿意を堪えているのは誰の目にも明らかだった。
「真行寺!中継はあと30分ほどだ、我慢しろ!」
しかし石田はクロエに厳しく言った。
「あの、でも…もうちょっとで出ます…」
クロエは恥ずかしそうに言った。
「うん?どれくらいだ?」
「あのパンツに少しちびってしまいました…」
石田はクロエの股間に目をやり、小さなシミを見つけた。そして、カメラマンに声をかけた。
「大谷、これ目立つか?」
カメラマンの大谷に言うと彼はモニターを見ながら「うーん、よく見ればわかりますけど、たぶん、大丈夫じゃないですかね。」
石田班カメラマンの大谷行武(おおたにゆきたけ)は、チャラい感じで応えていた。
「真行寺、お前ももういい歳だろ。ション便くらいもう少し我慢しろ。まぁ今年のテロのヤツは誰でもちびるけどな…」
「石田さん!もう、それは言わないでください!それにもう漏れそうなんです!」
石田の言葉に顔を真っ赤にして怒るクロエだった。
左を股間に当てて苦しそうに言う姿は、相当限界に近いことが分かった。
「ごめんね、クロエちゃん。他のアナウンス部女子は、新年の朝から、みんなスカイダイビングでいなくなったら、慣れないクロエちゃんにゆく年くる年の司会お願いして申し訳ないけど…」
男性アナウンサーの長宗我部元々(もともと)が優しく声をかけた。
「ごめんね、僕が、オムツの件、ちゃんと伝えてなかったからだね。ゆく年くる年の中継は、山奥の寺院からの中継が多いので、みんなオムツ着用でするんだよ。カノパンは量が多いから大変だったなぁ…クロエちゃんもしていると思ってたんだけど…」
「そうか・・・加納さんが言っていた、トイレ対策ってこのことだったのね。ちゃんと聞いておけばよかった・・・」
長宗我部の言葉に、加納綾子が言っていた、トイレ対策がオムツのことだったとこのとき気が付いた。
山道を抜けて、たどり着くと参拝客だらけで女子トイレはまず使えなかった。
クロエはトイレ対策として、参拝客が増える20時ごろにトイレを済ませたが、そのあとは参拝客でごった返していて、トイレどころか中継で決められた場所以外動けない様子だった。
そして中継前に、お寺の住職から暖かいお茶をいただいたのだが、このお茶が曲者だった。
とても利尿効果が高いお茶のようで、本番前、23時ごろお茶をいただいたがものの5分もしないうちに猛烈な尿意が襲ってきた。
さらに、暖かい大晦日と言っても、山の中のお寺は相当寒く、どんどん尿意が促された。
そして、中継が始まるころには、こらえきれなくなり、ちょびちょびと下着に漏れだしていた。
クロエは必死に決壊を耐えたが、徐々にそのシミはズボンにまで染み出てしまっていたというわけだ。

「何とか…我慢します!」
クロエは、各地の中継をモニターで見ながら、間もなく中継から切り替わる本番に備えた。
仕事モードに入る才女・真行寺クロエだったが、その股間のパンティは子どもの頃感じたようにクロッチの部分が生暖かくなっていた。

ゴーンッ!

「新年、あけましておめでとうございます!」
「新年、あけましておめでとうございます!」
クロエと長宗我部の声が響き、二人が並んで立つ姿がテレビに映っていた。
クロエの股間のシミは先ほどより鮮明になっていた。
中継の間にも少しずつ漏らしてしまっていたことが、恥ずかしいシミを広げてしまったようだ。
しかし、クロエは何事もない様子で中継を続けた。
「では、各地の新年の様子をみてみましょう!」

渋谷のスクランブル交差点、大阪の道頓堀、博多の中州などで騒ぐ若者たちの姿が映し出された。
そのあと、お寺の住職のインタビューに切り替わった。
「ご住職、新年あけましておめでとうございます!」
クロエはそう言ってマイクを向けた。
もう下腹部は張り裂けそうになり、尿道口がいつ開いてもおかしくなかったが、クロエの表情はプロだった。ただ寒空に額に薄っすらと浮かぶ脂汗が膀胱の限界を物語っているように思えた。
住職は、ゆっくりと形始めた。
「去年は、多くの水害がございました。我が、法止尿寺は、尿を止めるご利益があることから、水害のお寺ともされております。もちろん水害だけでなく、下のご利益もございます。都内の伽須寅神宮と合わせてお参りいただきますと、そのご利益も大きいかと存じます。」
そう言うと住職は、ゆっくりと手を合わせた。
(「もう、そんなご利益があるお寺なら、なんで私のオシッコは漏れてきてるのよ…」)
「そうですね、最近は女性の尿に関するトラブルも多いですので、水害防止と合わせてご利益をいただきたいですね!」
クロエはインタビューを続け、なんとかこのご利益にあやかり、おもらしだけは避けたいと必死に願っていた。
インタビューの中、大陰唇をぎゅっと絞めるように堪えたが、それでもジワジワと暖かいものが漏れるのを止めきれないでいた。
そして、この時すでにクロエの股間のシミはこぶし大くらいになっていた。
クロエは広がるシミに気が付いたのか、ゆっくりと右足を前に出し住職の方を向き、股間を隠すように横向きになりインタビューを続けた。

クロエの膀胱は限界に来ていたが、それでも大陰唇や内ももの力で決壊をなんとかしのいでいた。
(「あと、もう少し…こんなところでお漏らししたら…」)
必死で我慢して続けた番組もようやく終盤に差し掛かかった。
クロエは股間のシミをごまかしながら、大決壊は避け、中継を続けなんとか乗り切ったようだった。
「真行寺さん、今年は、水害などの災害の無い、いい歳になってほしいですね!」
「そ、そうですね、長宗我部さん!またオリンピックの日本選手団の活躍も期待したいですね!」
クロエの声は、少し震えていたが、何とか乗り切った様子だった。
「それではみなさん!今年もよろしくお願いします!」
「それではみなさん!今年もよろしくお願いします!」
二人の声が響くともにカメラのアングルが引きのアングルに変わり、放送が終わった。

「OK!」
石田の声が響いた、そして、その瞬間、クロエの動きが大きくなり、慌てるような声が響いた。
「石田ディレクター!トイレ、トイレ!」
クロエは太ももを締めて内またになり、情けない顔で叫んだ。
「はっ、はっ、はっ!よく我慢したな!真行寺!行ってきて来ていいぞ!」
石田はクロエの我慢姿が滑稽に思えたのか大笑いをしながら言った。
そして、その笑い声の中、クロエの股間が照明の光を受けてキラキラと光った。
「あっ…。い、石田さん…もう出てます…」
じゅっ…じゅっ…ちゅぃー!!!!
「えっ…」
スタッフ一同、息を呑んでクロエを凝視した。
クロエの尿は、彼女のズボンの股間に扇形のシミを広げ、締め付けられた太もももは、水流の形に変色をしていった。
そして、足元に流れた尿はお寺の石畳の上に黄色く広がり、寒空に湯気を上げた。
「石田さん、間に合いませんでした…漏らしちゃいました…」
そう言いながら、だらりと肩の力が抜けたように棒立ちになった。
我慢を続けたクロエの尿はどんどん溢れ、股間をキラキラと水流で光らせ、大きなシミを作り、行き場を失った彼女の尿は、ズボンの裾から大量に流れて行った。
「全部、でました…ごめんなさい…」
クロエは顔を真っ赤にしてうつむいた。
俯くと、そこには股間から太ももに恥ずかしいシミが広がっているのが目に入り、さらに恥ずかしくなった。
彼女はそれを見て、気持ち悪そうな顔をしながら、太ももに貼りつく布をはがすようにズボンを引っ張った。
それを見ていた石田はクロエに近づき、ぽんと肩をたたいて言った。
「うん、出ちまったものはしょうがないな…。しかし、中継されなくてよかったな。」
石田は頷きながら言ったが、クロエは「よくないです!」と恥ずかしそうに語気を強めて言い返していた。
そんなクロエを見ていた住職がゆっくりと話し始めた。
「真行寺さま、お着替えは内の本尊で…その際、是非、内の本尊にお参りをしてください。お帰りの際は、お守りになるお札柄のオムツもお着替えに差し上げますので…」
「えっ?オムツ、このお寺にあったんですか?なんで早く言ってくれないですか!」
住職の言葉に憤慨するクロエだった。
寒空のクロエのお漏らしシミから香しい湯気が新年の闇夜に消えっていった。
もちろん、帰りはズボンもなかったので、クロエは法止尿寺のご利益のあるオムツを履いて帰ったという。
そして、新年早々のスカイダイビング中継での女子アナ3人の失禁と今年もキャストラTVは多くの水害に見舞われそうである…










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投稿者:Lemon Juiceさん