キャストラTV 制作局内休憩室 夕方のニュース番組が終わり、ひと時の幸せを得に、徳川は休憩室の自動販売機で香り立つコーヒーを入れていた。 そこに野太い声が聞こえる。 「おう、徳川、お前んとこの織田は相変わらず数字の低い番組を作ってんな?」 振り返ると第2部の石田蜜成ディレクターだった。 ![]() 「そんなことありませんよ・・・・といいたいのですが、最近はネットに押されっぱなしで・・・それに視聴者からのクレーム対応ももうほんと大変ですしね・・・」 徳川はコーヒーを取り出し、カップを口につけた。 徳川の鼻の周りに香ばしい匂いが広がり、彼はひと時の安らぎを得た。 「そうだな、織田は報道が中心だからまだいいが、俺はバラエティー班だから、年々厳しくなる放送コードがきついわぁ、昔は多少、羽目外しても数字さえ取れれば上もスポンサーも大目に見てくれたが、今はコンプライアンスとか言ってがんじがらめ・・・ちょっとお色気路線でもやるともう袋叩きだぜ・・・はぁ」 石田は疲れたようにため息をつき、たばこに火をつけた。 「そうですね。最近はハプニングでもない限り視聴率は跳ね上がりませんからね・・・」 徳川もお手あげといった表情で愚痴った。 「そうだな。悲しい話、去年の瞬間最大視聴率は、7月の新人アナの・・・えっーと誰だっけ?」 「和久ちゃんでしょ。和久いずみ!」 名前を思い出せないで言葉に詰まる石田に、徳川は間髪入れずにそういった。 「そうそう、あのショートカットの新人ちゃん、それと9月のクロエの『おもらし』のハプニングだからな・・・二人のお漏らしのあと、急激に視聴率があがり、うちの去年の瞬間最大視聴率とは・・・とほほな結果だな。」 「そうですね・・・昔は勢いありましたね。そういや、『ミッドナイトエンジェルス』をYOU TUBEでみましたよ。あれは本当にエロかったですね。リアルタイムで観たかったな」 徳川は笑いながら懐かしそうに言った。 「応!あれは俺も織田もまだ下っ端のADだったな。あの頃は自由だったぜ。」 「そうそう、『ミッドナイトエンジェルスの本物は誰だ!』とか好きでしたね。ホントエロくて(笑)。出てくる女の子も素人さんだけどかわいくって・・・この中でオシッコを我慢しているのは誰だとか面白かったですね。」 「おっ、君も通だね。」 石田は嬉しそうに笑ってつづけた。 「クイズ番組の一問目が、この5人の中でオシッコをしている子は誰だってやつで、その答えはクイズ番組の途中で我慢しきれず、トイレに駆け込んだ子が正解ってやつな(笑)」 「そう、それです。さすがに地上波だったので、音消しはされていましたが、放尿している女の子の表情はしっかり映されていて、めっちゃ興奮しました。」 「あれな、何本か漏らした女の子いただろ」 「ええ、それも放送されていましたね。今だと大クレームですね」 「でもな、放送されていないものもあってな。今や大女優も駆け出しのころ、あれで漏らしてんだよ。まぁ大きい事務所だったので、おもらしは将来に響くと思ったのかお蔵入りになったけどな。名前聞いたらびっくりするぜ。」 そういって石田はニタニタと笑った。 「えー、誰です?気になる〜、あの番組が終わったのが15年前だから・・・15〜20年経ったとして・・・35〜40歳前後の女優さんですよね?」 「それは、言えないな。」 「えっ〜、吉岡美咲とか」 「バカ、彼女はまだ20代だろ。」 「そうか・・・誰だろ・・・気になる〜。」 徳川は興味津々だった。 「あと、どストレートに『オシッコ我慢大会』もやっていましたね。あれはアウトでしょ。」 徳川は苦笑いしながら言った。 「あれは、『ミッドナイトエンジェルス』の末期だな。マンネリで視聴率が落ちてきてな。本物は誰だでおもらしがあると視聴率があがったので、思い切ってやってみた。まぁ女性団体とかからは猛烈な抗議があって、あれ一回こっきりだけどな(笑)」 「数年前に動画がアップされていたのですが、あれはもうアップされてないですね。」 「ああ、あれは今も活躍するモデルのジュディ・ブラナーもいるしな。事務所が圧力をかけたんだろ。それにあれに出てた、当時、女子高生だった倉木理美(くらきさとみ)な、今は結婚して、西方って名字が変わってるけど・・・」 「えっ!あの経理の西方さんですか!」 徳川は驚いた。 それもそのはず、当時、ガングロのコギャルだった倉木は、今は色白・黒髪のお淑やかな美人になっていたからだ。 「そうだよ。まぁあの番組に出るくらいだから、普通の感覚じゃないよ。気は強いし、仕事もできる。でも流石に大学卒業して、内に入社した時は驚いたけどな。だって小便ちびった映像を見ている人が何人もいるんだぜ、大したもんだ。」 「え〜っ、あの西方さんがあの女子高生だったなんて、めっちゃ興奮します。スカートの前押さえながら、ちゅーっって漏らすシーンとかめっちゃエロくて・・・今度、経理に行ったとき西方さんの顔みられないですよ・・・」 二人はすっかり話こんでいた。 「さて、もうひと頑張りしますか!」 石田はそういって立ち上がった。 そして、徳川にこう告げた。 「徳川、なんかヒントもらった気がするわぁ。和久ちゃんの件、クロエの件、昔のミッドナイトエンジェルスの件、全部、女のション便で視聴率が稼げている。地上が無理でも、BSキャストラ当りでまたミッドナイトエンジェルスで「どエロ」な女のション便モノきかくしてみるか!ありがとう!」 そういって石田は仕事にもどっていった。 徳川は、うれしいけどなんか方向違いますと言いたかったが、石田のみなぎる自信に言えずにいた。 「女のション便か・・・確かに、去年の海水浴で、御端希先輩、さやかさん、なびきさんのおねしょやお漏らし見て、勃っちゃったもんな・・・いけるかも!」 終わり |