第10話 アンカー・アロー当主 3日後 リバータウン中央駅 東海岸の首都・ニューエストシティに向かう人たちでリバータウン中央駅には今日も多くの人でごった返していた。 そして、今日は軍部が一車両を貸り切り、ブレンダ・カラー少佐を国防総省のあるニューエストシティへ送り込むため物々しい警戒が続いていた。 その列車に、ブレンダ・カラーがやってきた。 手錠こそされていないが、両脇にはケージー捜査官とヘージ―捜査官がしっかりついていた。 「ブレンダ少佐、ゆっくり自分を見つめなおせ。エストでは軍法会議になるが、自分を見つめなおすいい機会だ。」 ミッツは厳しい中にも情のある言葉をかけた。 ブレンダは一瞬うなだれたが、すぐさま顔をあげジェネラル・ミッツを見て敬礼をした。 「自分を見つめなおして、もう一度やり直したいなら、いつでも私のところに来い。北の最前線はいつも人手不足なんでな・・・」 ミッツはブレンダの肩をに手をかけ、蓮美大尉とミキ少尉に声をかけた。 「長旅になるが、護衛を頼む。」 「はっ!」 「はっ!」 二人は敬礼で応えるとブレンダを連れて、連邦捜査局の2人と一緒に列車に乗り込んだ。 「ミキ少尉、ブレンダ少佐を頼んだ!」 クレア大尉が窓越しにミキ少尉に大きな声をかけた。 それを聞いたブレンダは力のない目でクレアの方を見てつぶやいた。 「すまなかった・・・許してくれとは言わない。ただもう少し私が・・・私が・・・」 とブレンダは言葉を詰まらせた。 「少佐、やめましょう。もう過去の事です。恨んではいませんよ。」 クレアはそういってブレンダに敬礼をした。 そして、ゆっくり汽車は動き出した。 ジャック・ローは死んだが、そのため彼からの情報がどこまでブレンダに流れているかわからないとノーザン帝国は考えているだろう。 ジャックの口封じをしたように、ブレンダの命もまた危ないのだ。 そこで軍部は剣の達人でかつ内偵部隊の蓮美大尉と駐屯軍でクレアがもっとも信頼のおけるミキ少尉を護衛につけたのだ。 5人を乗せた列車はニューエストシティに向かった。 2週間後 駐屯軍 司令官代理就任パーティー ジャック・ロー大佐が死に、No.2のブレンダ少佐は逮捕。 司令官が不在となった駐屯軍の混乱を抑えるため、次期司令官が決まるまでの司令官代理にクレア大尉が少佐に昇進し、その役目を受けることとなった。 今回の件で、ジェネラル・ミッツからの信望も厚くなったこともあるが、前線での戦いも激しく、他から大佐クラスを派遣することができなかったという側面もあった。 まぁそれはともかく、ジャック・ローの圧政が続いたので、久々のお祭り気分を味わえる就任パーティーは大いに盛り上がった。 そしてこの大きなイベントに私財を投じて祝ってくれたのがアンカー財団のアンカー・アローだった。 アンカー・アローの私邸の広大な庭が一般に開放され、軍関係者、アンカー財団の職員や協力者、そして涼子たちの姿もあった。 「クレア大尉!いや失礼、クレア少佐!司令官代理!今回はごくろうじゃったな」 上機嫌のアンカー・アローが酒をもってやってきた。 「きゃっ!」 そして、クレアに近づくとあ、アンカー・アローはペロンとクレアの尻を撫でた。 「うん!締まりがあっていい尻をしとる!」 「あたたた・・・ご当主さまの悪い癖が始まった・・・」 マイは頭を抱えた。 「なんだ、あのエロじじぃ。この前とずいぶん雰囲気違うじゃねーか。」 涼子は面白そうにアンカー・アローを見ていた。 「すいません・・・ご当主さまは上機嫌でお酒が入ると昔の悪い癖がでて・・・あの・・・セクハラを挨拶のようにしちゃうんです・・・。本人は悪気はないんですけど・・・・司令官代理にはまずいですね(汗)」 マイはトホホといった顔をした。 「あっ、さやかさん、左目見えるようになったんですね。眼帯ないとすごっく女の子ぽくってかわいい!」 マイは無邪気に言ったが、それに涼子は大笑いした。 「こいつが・・・女の子ぽい?ガハハハッ!笑いすぎてション便ちびりそうだぜ」 大笑いする涼子にテレ臭さと怒りで顔を真っ赤にするさやかだった。 「でもさやか、かわいいね。」 なびきがそういうと詩織も続けて 「ホント、なびきのお株を奪う、“フォクシー”さやかで売り出したら?男が寄ってくるかもよ」 と言った。 「バカ!私は冷静沈着なロックオンです!」 さやかの言葉に周りから大きな笑いが起こった。 一方、アンカー・アローの方は、見るところクレアも大人の対応をしていたが、そのボディタッチはおさまらなかった。どうやらアンカー・アローのタイプらしい。 「ご当主。今回のご協力ありがとうございました。」 クレアを助けるようにミッツが割って入った。 「おー、構わん、構わん!これでワシも安心して商売ができるわ。」 そういって、ミッツの豊かな胸に指をツンツンと当てた。 「わぁ〜」 それを見てヒデ少佐の顔色が変わった。 ミッツは笑顔だったが、その笑顔が怒りに溢れていることをヒデは感じたのだ。 「あとでとばっちりくわなきゃいいなぁ・・・いや、絶対シバかれる・・・」 料理も酒もどんどん運ばれてきた。 涼子もガーディアンエンジェルスの3人も疲れをいやすようにパーティーを楽しんだ。 宴もたけなわといった感じで、トイレに立つものの何人か出始めた。 お酒に慣れないアヤ少尉はすでに3回もトイレを往復していた。 酒を飲みすぎたミッツとクレアもそろそろと思っていたが、その時、アンカー・アローが真ん中に立ち話始めた。 「諸君!今回はご苦労様でした!帝国のスパイの一味も一掃され、我が町にも平和が戻ってきました!」 総司令官のミッツと駐屯軍司令官になったクレアを自分の隣に呼び寄せ、上機嫌に演説をつづけた。 二人とも尿意を感じていたので、まずいなぁと思ったが、そんなに長くは続かないだろうと我慢することにした。 「長に続いたジャック・ローの圧政も終わり、自由都市・リバータウンにも春がやってきた!」 アンカー・アローの長い演説が始まった。 しかも、アンカー・アローの演説は想像以上に長かった。 ミッツもクレアも、しこたま酒を飲んでおり、その利尿作用がよく効き始めていた。 特に妙齢のミッツにとって、尿意をこらえることは、かなりつらかった。 「おっ、ちょっとション便してくるわぁ」 涼子がいうと 「私も」となびきと詩織、さやかにアヤまでもこっそり抜け出した。 後列にいた傭兵部隊はうまくトイレに立てたようだが、前列の軍部のものは場の雰囲気からなかなかトイレに立てなかった。偶然、傭兵の席にいたアヤはラッキーだった。 部下の手前、あからさまにモジモジすることも、股間を押さえることもできないミッツだったが、アルコールの利尿作用により、急激な尿意が襲ってきていた。 「まずい・・・このままでは・・・」 ミッツの大きな尻がキュッキュッと締め上げられた。 そうすることで溢れそうな尿に歯止めをかけたのだ。 そしてたまらず・・・ 「ごほっん!」 ミッツは咳ばらいをして、アンカー・アローにそろそろという合図を送った。 それに気づいたアンカー・アローは、ウィンクをして、「わかった」という上機嫌な表情を浮かべたが、そこからまた10分以上、延々と話し始めた。 女性兵士の何人かもモジモジとし始めていた。 小便が近いコトリ―二等兵の顔色は真っ青で小刻みに震え始めていた。 マイはこっそり抜け出し、トイレに駆け込んでいった。 「それでは、みなさん!ご苦労じゃった!ワシのつまらん挨拶はここまで、今日はトコトン楽しんでいってくれ・・・・」 その一言を聞いて、ミッツをはじめ尿意をこらえていた多くの女性兵士が安堵の表情を浮かべ、トイレに駆け込む体制をとろうとしたが、その時、 「えっー最後に、北方面軍 総司令官 ジェネラル・ミッツ殿に一言いただきたいと思います!」 アンカー・アローは何を勘違いしたのか、先ほどのミッツのウィンクは、「私もにもしゃべらせろ」と思ってしまっていたのである。 ちょっと気の緩んだミッツの股間にジワッと暖かいものが広がったが、将軍の名に懸けて、必死に我慢するミッツであった。 「なに・・・ここで演説はまずい・・・しかし・・・」 額には脂汗が浮かんでいた。そして、となりのクレアをみると彼女も限界という表情をしていた。この祝いの場で、将軍としてスピーチを断るわけにもいかなかった。 なんとか切り抜けなければ・・・兵士の前での失禁は避けたい。 そう葛藤し、短い言葉で締めくくろうと一歩前にでたとき、兵士たちの中でざわざわという声が聞こえた。 一人の女性兵士を中心に円ができていた。 その円の中心では、コトリ―二等兵が股間から黄色尿を垂れ流し、足元に水たまりを広げ、しくしく泣いていた。 ミッツはそれを見て、自分もそうなるかもという恐怖が目に浮かんだ。 それにもう37歳の膀胱の筋肉は限界を迎えようとしていた。 「諸君!ありがとう!北の最前線で待っている!後はパーティーだ!」 と精一杯気丈にふるまい短い言葉で締めくくった。 そして、すぐさまトイレのある方向に向かおうとした。 一方、クレアはトイレまで持たないと判断したのか、堪らずベルトを外しながら中庭の草むらに飛び込んだ。 下した下着には黄色いシミがついていた。しかし、クレアはおチビリ程度で免れた。 「ほっ」としながら放尿を続けるクレアだった。 しかし、ミッツの前には空気を読まないアンカー・アローが・・・ 「やぁ!将軍。ありがとう!」と握手を求めてきた。 「と、当主・・・その前に、小用を・・・あっ・・・」 ジワジワとジェネラル・ミッツの股間にシミが広がった。 「うん?」 アンカー・アローは一瞬、目を疑った。 「あっ・・・でちゃ・・・う・・・・。」 ミッツが急に女の子ぽい口調になったかと思うとぐちゅ、ぐちゅ、と布に尿が当たるくぐもた音が聞こえたあと、シューーーーーーっ!という力強い放尿音が響いた。 シュィーーーーーッ、シュィーーーーーッ、じゅーーーーっ、じゅーーーーっ・・・ 激しい音ともにジェネラル・ミッツの股間はみるみる内に変色していった。 「あぁ・・・ご当主・・・お手洗いに・・・」 「あ、いや、その・・・・マイ!マイ、将軍を・・・」 アンカー・アローは狼狽しながらも少し小さめのご当主様がテントを張っていた。 妙齢の女性の尿は黄色く、フェロモンと何とも言えない臭みのある匂いを放っていた。 ミッツはマイに連れられて、アンカー・アローの浴室へと導かれていった。 大きく張りのある尻にも恥ずかしい失禁のシミがしっかりついていたが、我に戻ったミッツはなぜか胸を張って浴室に向かって行った。 股間にもしっかりおもらしのシミがついているのに、「ジェネラル・ミッツが小便を漏らすなどない!」という虚勢をはったような歩き方がまたいじらしかった。 濡れた股間が気持ち悪いのか少しがに股になるミッツであった。 幸い、兵士たちもみんなトイレに駆け込んでいたので、ミッツの失禁を目撃したものは、リッチミニスター(豊臣)少佐ほか数名にとどまり、すぐさまかん口令が引かれたとかひかれていないとか・・・ そして、リバータウンに平和が戻った。 (おまけ) アンカー・アロー邸 中庭の片隅で・・・ シュィーーーーーッ。 シューーーーーーっ! ぴゅーーーーっ ジョバジョバッ・・・ シィ――――ッ! 涼子「しかし、あのオヤジ、話なげーな。」 なびき「今回は私たちあんまり活躍できなかったですね。」 詩織「まぁ、さやかの左目も治ったし、よかったかな?」 さやか「それにしても・・・こんなお屋敷なのに女子トイレが少ないなんて・・・」 アヤ「まさか5人並んで、屋敷の隅で野ションとは・・・」 五人が屋敷の隅で壁に向かって尻を出して、放尿をしていた。 5人それぞれの音、色、においが入り混じったそれは美しい光景でした。 第2部 完 |