キャストラウエスタンノワール 第6話 宴そして旅たち ―決戦から3日後― モーリー先生の診療所 「それで、もう3日間も大丈夫なんですね」 モーリー先生はやさしくアンジェリカに微笑みかけた。その脇でナースのイズミも安堵の表情を浮かべていた。 「はい・・・。いろいろ複雑な思いは残っていますけど・・・うまく言えないのですが、ジェイクとの対決で何か肩の荷が下りたというか、重い荷物を降ろせた気がします。ジェイクやミリアさんのことを考えると何とも言えない気持ちにもなりますが、でも、お父さんとジェイクのことが結論が出せたことで、何か2年前の呪縛から解き放たれた気がします。」 アンジェリカは少し悲しそうな微笑みを浮かべ、モーリー先生に話した。 「そうか・・・つらかったね。でもこれで夜尿症も収まったようだし、私は安心ですよ。年頃のお嬢さんが、やっぱり夜尿症というのは心苦しかったので・・・」 アンジェリカは少し顔を赤らめてほほ笑んだ。 「今日は、ミゾレさんの店で涼子さんたちと飲むんです。さやかさんたちは明後日にはリバータウンに旅立つのでみんなで騒ごうってなって・・・。」 「飲むのはいいが、ほどほどにね」 モーリー先生の優しい言葉にアンジェリカははにかんで応えた。 ミゾレの店 カラーン、カラーン アンジェリカがミゾレの店の扉を開く音が鳴ったが、店は大騒ぎだった。 店の真ん中には涼子とさやかがテキーラのショットグラスを積み上げていた。 「よぉ〜し、ろうこ(涼子)!まらまら(まだまだ)負けん!」 さやかはショットグラスを一気に3杯あけた。 「ふん!ガキがちょーし乗ってんらねーぇ」 涼子も呂律が回っていなかったがそれに応えた。 よく見るとテキーラの瓶がすでに7本転がっていた。 あわただしくショットグラスにテキーラを継ぐレイカ。 「あ、アンちゃん〜。早く一緒に飲もう〜♪」 ミゾレもほろ酔いだった。 「アンちゃん、どうする?何、飲む?西部一のバーテン、ケツ様が最高のカクテル作ってやるよ〜」ケツも上機嫌でシェイカーを振っていた。 バーカウンターにはリナとカナも座っていた。 「すごい・・・」 アンジェリカは涼子とさやかの飲みっぷりに圧倒された。 「すごいでしょ・・・でもちょっとやりすぎかも・・・」 お酒で顔を赤らめたなびきと詩織が心配そうにみていた。 ガタン! 急にさやかが机に手を着き、椅子を倒して立ち上がった。 そして「おしっこ!」と言って、トイレに向かおうとした。 「おい、逃げるのか〜よ。さやか。トヒレ(トイレ)に先に立った方が負けらろ・・・ヒック!」 涼子が絡んだ。 「なひ(何)〜、のろむ(望む)ところだ!」 しかし、さやかの足はフラフラの脚で立ち上がったまんま、ショットグラスをまた一杯空けた。 「ろうら〜(どうだ〜)、ヒック!」 そう言ってショットグラスをテーブルに叩きつけたかと思うとじゅぐっ、じゅぐ・・・というくぐもった音がした。 そして、さやかのベージュのズボンの股間がみるみる内に色濃く染まり始めた。 シューーーーーーっ!じゅぐ、じゅぐ、シューーーーーーっ! さやかの力強い放尿が彼女の下着を叩きつける音と大陰唇から放出される激しい音とが混じり立った音が店中に響いた。 「う〜っ、気持ちいい。」 恍惚の表情を浮かべるさやか。 「ガハハハッ!」 それを見て笑い転げる涼子だったが、彼女の黒いデニム尻からも黄色い尿が溢れだし、椅子に広がり、びちゃびちゃと床に落ちていった。 「俺も、出た!ガハハハッ!」 豪快に失禁しながら笑い転げる二人。 それを見て店内は大笑いになった。 しばらくすると、そのまま二人はテーブルで眠ってしまった。 もちろん二人とも下半身はずぶ濡れだった。 「あっちゃー!」 レイカは苦笑いをしながらモップをもってきて、マユミと二人で床に広がった大人の女性の尿を拭き取った。 「レイカさん・・・さすがに大量ですね・・・」 苦笑いをしながら後始末をするマユミとレイカだった。 「くさっ!」 その匂いは、アルコールを大量に含み黄色く、強烈なにおいを放っていたので、レイカは思わず顔をゆがめた。 「あらら・・・」 ほろ酔いのミゾレはそれを見て笑って「じゃあこれから私たちも飲みますか!」と声をあげた。店は羽目を外した女たちで夜通し盛り上がった。 翌朝 「あ、痛っ、たた」 激しい頭痛で目覚めた涼子は汚れたズボンと体を洗いに店の裏の井戸に向かった。 井戸の横では白い尻をこちらに向けて、ズボンを洗っている女がいた。 さやかだった。涼子の気配に気が付き、さやかは振り返った。 「き、昨日はやりすぎたな・・・」とさやかはバツが悪そうに言った。 「あぁ、ション便、漏らすまで飲んだのは初めてだ」 半笑いで髪をかき上げながら、寝ぼけ眼の涼子が応えたかと思うと、彼女はブルブルっと体を震わした。そして、黒いデニムの両方の裾から黄色液体が流れてきて、しばらくすると股間にもシミが広がった。 面食らった顔でその光景を見つめるさやかに涼子はあっけらかんと次のように言った。 「めんどくせぇ、どうせこれから洗うしな」 そう言って、井戸からくみ上げた水を頭からかぶった。 白いシャツも濡れ、涼子の肌が透けて見えた。 涼子は濡れた服をすべて脱ぎ、たらいに入れ真っ裸で足で踏み洗いを始めた。 「相変わらず、豪快だな・・・」 「ところで、リバータウンに何しに行く?確かデカい町だから無法者も多く訪れるだろうが、あの町は軍もいるし、アンカー財団の私兵もいて治安はいいはずだ。メシの食い扶持なんてあんのか?」 苦笑するさやかに涼子は平然と聞いた。 「その治安の良さがメシの種なんだよ。」 「うん?」涼子は首を傾げた。 「リバータウンではそのアンカー財団が町を牛耳っていて、治安を維持している。腕のいいものは高い値段で用心棒に雇ってくれるらしい。しばらく金を稼ぐにはいいかと思ってね。」 「そうか、軍にアンカー財団となんかきな臭いが、まぁそのきな臭い分、金はよさそうだな。俺も足のケガが治ったら行ってみるか。」 涼子の全裸になった肢体は朝日に照らされ美しく輝いていた。 そして次の日、さやかたちガーディアンエンジェルスはリバータウンに向かった。 荒野に三人の女ガンマンが馬に乗る姿は美しく、見送る者たちを魅了した。 第1部完結 第2部へ続く |