キャストラウエスタン ノワール 第3話前編 「インディアンの娘(カナ篇)」 ブルーオアシスの町 パッカッ、パッカッ。 ブルーオアシスの村に三頭の馬のひづめの音が響く。 「保安官!それと医者だ!」 真ん中の馬に乗った左目に黒い眼帯をした隻眼の女が叫んだ。 店にいたミゾレはその声につられて目をやると、馬に乗った三人の女ガンマンがいた。 最初はよくわからなったが、よく見ると真ん中の馬にインディアンの娘が乗せられていた。 ぐったりとして体はあざだらけだった。 「カナちゃん!」 ミゾレは慌てて飛び出した。 状況がわからず目の前の女ガンマンに震えながらも眼帯の女を睨みつけた。 「知り合いか?」 「ええ、うちに出入りしているインディアンの娘よ。あなた・・・」 とミゾレはつづけようとしたがそれを遮るように眼帯の女は口を挟んだ。 「おい、何を勘違いしている。説明はあとだ。すぐ治療をするぞ。それにもう一人の連れはレッド・コブラの一味につかまったようだ。かわいそうに身内のようだが・・・」 「えっ、まさかリナちゃんが捕まったの?どこ!リナはどこにいるの?」 ミゾレは眼帯の女に詰め寄った。 左の色白の女が馬を降り、ミゾレに優しく語り掛けた。 「お知り合いのようだけど、今は早くこの子の手当てをしてあげて。もう一人の子は・・・残念だけど、今からはもう・・・間に合わないかも・・・」 その時、三人の後ろから声が聞こえた。 「残念じゃねーよ。そのインディアンの娘はしぶといぜ、きっと。」 その声に三人は振り向いた。 「ノワールの涼子!」三人は声を揃えていった。 「詳しい話を聞かせてください。どうやら時間がないようです。」 隣にいたアンジェリカが続けた。 保安官の家 「お、おねぇちゃん、リナ、今、はぁはぁ、行くから・・・助けに・・・今・」 カナは朦朧とする意識の中でうなされながら、リナへの思いをうわ言のよう言っていた。 「カナちゃん!しっかり!」 ベッドのそばで心配そうに見つめるミゾレだった。 「打撲はとにかく冷やして!水枕をもっと持ってきてください。」 医師のモーリー(毛利副部長)と助手のイズミ(和久いずみ)は懸命に手当てをしていた。 「ひどい、こんなになるまで・・・」 イズミは打撲と傷の多さに目をそむけたくなった。 「イズミさん、しっかり押さえて。肩の傷口縫うよ!」 「ハイ!」 野戦病院のような状況で治療が進む。 カナも麻酔が効いてきたのか眠り始めた。 その時、 シューーーーーーっ 放尿音が響いた。 カナの股間から大量に黄色い尿が溢れてきていた。 ショートパンツからどんどん尿が溢れカナの尻から背中へと広がって行った。 「モーリー先生、患者が失禁しています!大丈夫でしょうか?」 イズミは慌ててタオルでベッドに溢れた尿を吸い取った。 「大丈夫です。一命は取り留めました。この失禁は通常の排尿行為です。脳への損傷などではないので安心してください。麻酔の効いている間は、また失禁する可能性があるので、ズボンを脱がせておいてください。それから治療が落ち着いたら、おむつを当ててあげてください。」 モーリー先生は肩を縫いながら的確に指示を出した。 「ハイ!」 イズミはそういうとカナのショートパンツをナイフで切り、剥がしとった。 縦に大きく割れたクレパスが露になった。ふくよか美しいクレパスだった。 ぴゅーーーっ! そして、そのクレパスからまた黄色い尿が噴出した。 ![]() 先ほどの残尿だったのだろうか。 尿が出切るのを見て、イズミは股間にタオルをかけてあげた。 治療をしている横の保安官室に5人の女が集まっていた。 「まさか、この町でノワールの涼子に会うとは思わなったね。」 眼帯の女が涼子に向かって不敵な笑みを浮かべて言った。 「まぁまた涼子さんと組めるなら心強いわ。」髪の長い女が続けた。 「涼子さん、この人たちは・・・」アンジェリカが涼子に聞いた。 「腐れ縁だよ。数年前、デカいヤマを2、3回やった。この色白のかわいらしいおねーちゃんが、拳銃(ピストル)のなびき、こっちの髪の長い女がショットガンの詩織、そしてこの眼帯の女がミズ・パーフェクト。ライフルのさやか。腕は確かだ。その美貌からついたあだ名が荒野のガーディアンエンジェルス。まぁリーダーのさやかはエンジェルには程遠いくらい冷酷だがな。」 そして涼子はつづけた。 「それよりも助けに行くなら、早い方がいい。レッド・コブラの女狩りだ。たぶん、この2,3日中にはアジトに連れていかれて、グレッグのおもちゃにされちまうな。俺は賞金稼ぎだ人助けなんてしねぇ。ただダチの娘のさみしい顔は見たくない。俺は行くぜ。」 涼子はそう言って三人に状況を聞き始めた。 「ここから馬で3時間ほどのところでテントを張っているのを確認しました。おそらくは女狩りのテントかと・・・」 詩織は涼子にそう告げた。 「この娘を追いかけてきたものは3人。銃は使わず、ムチで追いかけまわしていた。助けるときにライフルで3人とも仕留めたが、その時、テントの外には大柄男1人とあと数名のガンマンがいた。規模からして10名ほどのパーティーだと思われる。」 「さすが、パーフェクト。冷静な分析だな。」 涼子はそういうとレボルバーを回し、銃の点検を始めた。 「ふ〜っ」モーリー先生が汗を拭きながらこちらに近づいてきた。 「すごい生命力だよ。あれだけの傷を負いながら・・・一命は取り留めた。後遺症になるような傷もない。運動神経も抜群なんだと思うよ、致命傷を見事に外している。2日も安静にしていれば動けるようになるだろう。また夜に看に来るよ。」 モーリー先生は優しい表情でアンジェリカに伝えた。 「アンジェリカ、ここは俺が行ってくる、お前はブルーオアシスに残れ。お前には保安官補の仕事がある、それに他のレッド・コブラの一味がいつ来るかわからん。いいな。」 涼子は優しい口調でアンジェリカに言った。 アンジェリカは悔しそうにうなずいた。 「悔しいですが、今の私はここを離れられません。ですから、私が荒野のガーディアンエンジェルスを雇います!」 驚いたような三人。 「おい、おい。保安官補が雇えるほど私たちは安くないぜ。まぁ出世払いなら・・・」 とさやかが話しているとき男の声が聞こえた。 「私が払おう!」 保安官の家の前に、町長のユキチがティラア、佑香とともに立っていた。 「インディアンの娘が運ばれたと聞いたので、まさかと思ったが、どうやらその子はうちの妻と娘を救ってくれた恩人らしい。それにおそらく捕らえられている娘も・・・ここに5万ドルある。これで、受けてくれないか?」 「もちろんだ、引き受けた」 さやかは二つ返事で応え、4人は夜に備えた。 続く |