キャストラウエスタン ノワール 第2話 「二丁拳銃のマイク・グリーンフィールド」 ミゾレの店 「アンジェリカ保安官補、今日はあの賞金稼ぎさんが助けてくれたんです。私たち、彼女がいなかったら・・・」 そういうミゾレの目には涙が浮かんでいた。 アンジェリカは目線をカウンターに送った。 「黒のウエスタンハット、黒のポンチョ、黒のデニム、黒のレザーベスト・・・まさかノ、ノワール涼子!彼女がウチの町に!」 アンジェリカは大きな目をまあるく見開いて驚いた。 そして、その驚きで下着には小さな黄色いシミができた。 しかし、アンジェリカは、その驚きで下着に温もりを感じる暇もない素早さで腰からシルバーの2丁拳銃を抜きさり、涼子に向けた。 それに応えるように涼子も素早く立ち上がり黒いレボルバーを構えた。 そして涼子は「ばん!」と口で言って笑った。 「アンジェリカ・・・大きくなったな、それにいい腕だ。父親譲りの二丁拳銃も流石だな。」 懐かしそうに目を細めアンジェリカを見つめ、ホルスターに銃をしまった。 「涼子さん、お久しぶりです。2テンポ私の方が遅かった。本気だったら私は死んでいました。」 そう言って、アンジェリカも2丁の銃を腰に戻し、バーカウンターに座り涼子に話しかけた。 「もう10年ですね。父がここの保安官になってからもう10年経ちました。2年前に亡くなりましたけどね。」 と寂しそうな顔を浮かべた。 「マイクが死んだのは聞いた。でも私にはあのマイクがそう簡単に死んだとは思えない。一体なにがあったんだ。教えてくれ。レッド・コブラにやられたと聞いたが、マイクほどの腕の奴がそう簡単にやられるわけねぇ!」 涼子は興奮気味で声が大きくなった。 「わかりました。ゆっくり話しましょう。できれば一緒に墓まで来てもらえませんか。そこで話します。父も母も涼子さんに会いたがっていると思いますし・・・」 二人はゆっくり立ち上がり、店の外へ出ようとした。 その時、入り口から元気のいい声が聞こえた。 「こんにちわぁ、ミゾレさん大丈夫でしたか!」 「こんにちわぁ、ミゾレさん大丈夫でしたか!」 この町はずれのインディアン部族・リングレア族の娘二人だった。ショートパンツのような衣服を身にまとっていたので、その健康的なふとももはあらわになっていた。 革製のブーツに肌の露出の高い衣服。そしてスウェード地の長袖のジャケットを羽織っていた。 髪の長い方は腰にトマホークを携え、数枚の小さなナイフをたすきの用なものに差し肩から掛けていた。 髪の短い方は背中に弓矢を背負って左手に弓を持ち腰にはダガーを携えていた。 彼女たちと入れ違えるように涼子とアンジェリカは店を出た。 「昨日、レッド・コブラの奴らに襲われたって聞いて・・・私たちに何かお手伝いできることありますか?」 髪の長い娘がミゾレに言った。 「ありがとう。リナちゃん。大方、片付いたし、ケツさんも命に別条がないようだったわ。二人はショックを受けているけど、私が何とかするわ。」 「私たちにできることがあれば何でも言ってくださいね。ミゾレさんは一番のお得意様なんですから」 髪の短い方が少し悪戯っぽく応えた。 「ありがとう・・・」 ミゾレはうれしくて涙が溢れそうになった。 どうやらこのインディアンの双子の娘は干し肉をミゾレの店に卸している様子だった。 町はずれの墓地 「マイク・・・」 涼子はそう言ってバーボンを取り出し、墓にかけた。 隣で厳しい顔をしたアンジェリカが話し始めた。 「あれは2年前・・・父と保安官補のジェイク、そして私の3人で、レッド・コブラ一味が誘拐した旅の娘を救いにいったときでした。 ジェイクと父はまだ保安官補になって間がなかった私をアジトの外に見張りに立て、中に入っていきました。 今思えば、ジェイクに強く外で待つように言われたと思います。 銃撃戦になる可能性が高かったので私をその危険に巻き込みたくない。そう言って私を引き留めました。でもその言葉には嘘はなかったと今でも信じてします。 でも、それが罠だったというか・・・中に入ってみると誘拐されたはずの娘はレッド・コブラの幹部の女でした。ジェイクとその幹部の女は内通していたのです。そして、ジェイクは父を裏切り、彼によって頭を撃ちぬかれて死にました。」 そう言ってアンジェリカは空を見上げ、こぼれそうな涙をこらえた。 「今ではジェイクはレッド・コブラの幹部。でもあの優しかったジェイクがなぜ父を裏切ったのか今でもわかりません。そして母は、父が亡くなったことと信頼していたジェイクに裏切られたことで1年後病でなくなりました・・・。隣の墓は母のものです。」 そう言ってアンジェリカが目線を落とした先には、ミサト・グリーンフィールドと名前が彫られていた。 「ひでぇ話だ・・・しかし、マイクやミサトさんが信頼していたそのジェイクとかいうのが裏切ったというのが解せないな。マイクの人を見る目は確かだからな・・・敵(かたき)は討つ。レッドコブラは叩く!」 そう涼子は言って、アンジェリカの方を叩いた。 「キャーッ!」 その時、墓の入り口の方で女の悲鳴が聞こえた。 二人は慌てて、入り口の方向に走り出した。 墓の入り口 「へへへ、親子そろってうまそうじゃねぇーか〜」 腹の出た下品な男がライフルを構えて親子に近づいていた。 「た、助けてください。私はどうなってもいいですから、娘だけは・・・お願いします。」 見目麗しい女性はライフルの銃口の前に立ち娘を守っていた。 「助けてくださいだぁ〜、どーしよーかなー、おーい?」 もう一人の男が撃たれて動けなくなったボディーガードの男を蹴りながら言った。 「町長の母娘のボディーガードにしちゃあっけなかったな。あとはゆっくり楽しむぜ・・・まずはうるせー母親の方から遊んでやるか、へへへ。」 ライフルを構えながら腹の出た男は女性に近づいてきた。 「お、お母さん・・・」 「佑香、大丈夫だからね。私が絶対佑香を守るからね。」 そう言って母親は右手を後ろに回し、娘の手をしっかり握った。 佑香は向けられた銃口にガタガタと震え、失禁していた。 「お母さん・・・」 母親が後ろを振り返ると、立ったまま失禁している佑香が目に入った。 太ももをガタガタと震わせ、足元にポタポタと雫を垂らしていた。 「大丈夫、お母さんも漏れそうよ。帰ったら一緒にお風呂入ろうね。」 そう言って佑香の手を一層強く握った。 「町長の妻、ティアラだな。安心しろ。殺しはしない。なんせ町長の妻と娘だからな。お前らの身代金を土産にレッド・コブラに入るんだからな。へへへ。でもその前に、ちょっと味見くらいさせろや。」 そう言って腹の出た男はティアラの服を破った。 「いや!」 ティアラはあらわになった白くふくよかな胸を左手で覆った。 「おい、ボブ。俺にもやらせろ、がまんできね」 もう一人の男は右手で銃を構えながら左手で股間をまさぐり始めた。 「おい、隠すなよ。」 腹の出た男はそういうと胸を揉みしだき出した。 ティアラの白い胸が男の分厚く汚らしいての中で逃げ場を探すように動いていた。 「お母さん!」 佑香は悲しそうに叫んだ。 「お嬢ちゃんも、次かわいがってやるから大人しく待ってなよ。オシッコもきれいに舐めてやるよ、ひぃひぃ。」 そういうとその男はティアラの胸にしゃぶりつこうとした。 「キャーッ!」 ティアラは大きな悲鳴を上げた。 この声に涼子とアンジェリカは気が付いたようだった。 二人は慌ててこちらに向かっていた。 二人の視界に襲われるティアラと佑香が入り 「ちぇっ!ゲス野郎!」とつぶやき涼子は銃を抜き構えた。 ちょうどその時、「アワワワワッ〜!」とインディアンの雄たけび聞こえた。 その声はティアラの胸を揉みしだいている男の後ろの方でした。 その声に気付いて振りかえった男だったが、その瞬間、眉間に弓矢が刺さった。 腹の出た男は即死だった。 もう一人の男は慌てて声のする方に銃口を向けた。しかし猛スピードでインディアンの娘が突っ込んできた。 「おりゃーっ」 その娘は臆することなく銃を構える男に突っ込んでいった。 そして電光石火のスピードでトマホークを振り下ろし、もう一人の男の脳天を割った。 当りには静けさが漂った。 「町長の奥さん、大丈夫ですか?」 リナはトマホークを腰に戻し、優しく声をかけた。 もう一人同じ顔のインディアンの娘が近づいて優しく微笑んだ。 「ありがとうございます。あなたたちはリングレア族の娘さんたちですね。本当にありがとうございます。」 ティアラは何度もお礼をした。 そして佑香を強く抱きしめた。 よく見るとティアラのふくらはぎには黄色い水流が流れていた。 安心して失禁したようだった。 「佑香、もう大丈夫だからね。」 「お母さん!」 二人は強く抱きしめあっていた。 「ありがとうリナ、カナ。二人の腕は最高ね。二人揃ったら私もかなわないわ。」 アンジェリカはそう言って二人に近づいた。 「あ、アンジェリカ!」 「あ、アンジェリカ!」 二人は嬉しそうにアンジェリカを見つめた。 コツ、コツと足音を立てて涼子が近づいてきた。 涼子の纏う殺気に、リナ、カナの緊張が一瞬走った。リナはトマホークに、カナは弓に手をかけそうなった。 「おっと、こっちは涼子さん、父の昔の友人で、今は賞金稼ぎ・・・というかしばらくこの町の用心棒になってもらおうとしてるの。昨日のミゾレさんの店の一軒もこの人が助けてくれたのよ。」 アンジェリカは慌てて二人に涼子を紹介した。 「フッ」涼子はニヒルな笑いをして二人を見つめた。 それに応えるように二人も笑った。 続く |